甲子園に出場する佐賀商野球部の選手たちにエールを送る定食屋「さくら」の坂口幸吉さん(左)と妻の史子さん(右)=佐賀市

 10年ぶりに甲子園出場を決めた佐賀商野球部。学校の目の前にあり、選手の行きつけでもある定食屋「さくら」の店主、坂口幸吉さん(59)と妻の史子さん(58)は選手たちの成長ぶりを間近で見守ってきた。幸吉さんは「(甲子園出場は)感激以外のなにものでもない」と目を細めた。

 店は7年前にオープン。メニュー名にOBの名前を入れるなど、野球部とのつながりは強い。選手たちが来店しても、野球の話はほとんどせず、リラックスできる空間づくりを心がけている。

 5年前から、大会期間中に合宿をしている選手たちのために朝昼夜と栄養バランスを考えた食事を提供。今年はこれまでで最長の約2週間、料理を作り続けた。

 今年の佐賀商は下馬評は決して高くなく、大会当初は選手たちの表情にも期待と不安が入り交じっていたという。試合を勝ち上がるごとに顔つきが変わっていき、気持ちを前面に出すようになった。エースで主将の木村颯太選手は大会終盤に「俺が抑えて勝ちます」と幸吉さんに宣言し、見事実現してみせた。幸吉さんは「この子たちほど、大会期間中に表情が変わった子たちはいない」と振り返る。

 店を出してから佐賀商が甲子園に出場するのは初めてで、「よほどのことがない限り観戦に行く」と初戦を心待ちにしている2人。森田監督をはじめとする指導者たちには「強豪校のプレッシャーの中、よく甲子園出場を勝ち取ってくれた」と感謝し、選手たちには「今までやってきたことを信じて一戦一戦楽しく戦ってきて」とエールを送る。

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