同和問題について語る上川多実さん=佐賀市の市文化会館

 8月の同和問題啓発強調月間に合わせ1日、同和問題講演会が佐賀市文化会館であった。情報発信サイト「BURAKU HERITAGE」のメンバーとして活動する上川多実さんが、日常の中の差別問題に触れ、差別と向き合いどのような社会で暮らしていきたいか考えることの大切さを訴えた。

 被差別部落にルーツを持ち被差別部落ではない地域で生まれ育った上川さんは、親族の結婚差別や家の近所で就職差別があったと紹介。結婚や就職に対して不安があったが、周囲には部落問題を知らない人が多く相談できなかった。「将来に希望が持てないことよりも周囲の無関心や無知がつらかった。自分の存在が否定されている感覚だった」と当時の心情を語った。

 さらに、知らない人が多いなら放っておけば差別はなくなるという考えの「寝た子を起こすな論」にも触れた。インターネット社会で同和問題を知る全ての人を黙らせることは不可能と話し、「差別を受けた人が『そっとしておいて』というのは仕方ないが、差別を受けてない人が差別問題を風化させていいのか、考えてほしい」と訴えた。

 上川さんは「差別されない側だからこそできるアクションがある」と話し、差別のない社会をつくるために「まず知って、どうするかを考えて。笑って暮らせる豊かな社会をつくっていけたら」と締めくくった。

 講演会は佐賀市などが主催し626人が聴講した。

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