土木学会から技術功労賞を受けた九州構造設計の宮副専務

 建設コンサルタント「九州構造設計」(佐賀市)の宮副一之専務取締役が社団法人土木学会の技術功労賞を受賞した。軟弱地盤に適した伝統工法「木杭」による構造物の基礎設計マニュアル作成や、土木技術者の育成に取り組んできたことが評価された。

 土木学会賞は、技術開発や論文など国内トップクラスの業績を収めた研究者や団体に贈られる。そのうち技術功労賞は、人目につきにくい業務に長年にわたって従事し、土木工学、事業の発展に貢献した人が対象。11人が選ばれ、九州からは宮副さんだけだった。

 宮副さんは、林業の発展を視野に、木杭の復権に力を入れてきた。古くから佐賀平野に多い軟弱地盤の構造物基礎は、木杭が担っていたが、高度経済成長期に、多くの基盤整備が行われるようになり、県内でもコンクリート杭などが主流になった。しかし、1990年代に入ると、佐賀大学を中心に木杭に関する基礎研究が行われ、再評価する機運が高まっていたという。

 そんな中、宮副さんは2003年に県内産学官の技術者による木材利用研究会を立ち上げた。現場での試験、研究を重ね、それまでばらつきのあった木杭を利用した設計手法のマニュアルを作成。日本で最初の「木材利用シンポジウム」を開催するなど、情報発信にも努めてきた。ほかにも、研修会の講師や、論文作成の指導などに携わり、技術者の育成に尽力した。

 宮副さんは大きな事業が県外に発注されるケースが多いことに触れ、「県内の技術者の力が向上していることを知ってほしい。“地域の社会基盤は地域の手で創り見守る”がモットー。県産の成木を使い、地域の技術者が設計、調査、点検に携わることは、林業だけでなく地域の活性化にもつながる」と思いを語った。

このエントリーをはてなブックマークに追加