勇壮に巡行する提灯山=多久市北多久町(昨年の祭りから)

仕事後に集まり、提灯山の組み立て、囃子の練習を続ける多久山笠若衆会=多久市北多久町

 多久市最大の夏祭り「多久山笠」が8月15、16日にあり、今年で70回の節目を迎える。戦後の復興を願う中心街の祭りとして昭和23(1948)年に復活。石炭産業の衰退とともに人口が減る中、現在は地域を超えて集まった20~30代の若者が祭りを支える。年々細る協賛金を補うため、ふるさと納税で運営資金を調達する新たな試みも始まっている。

 JR多久駅周辺の荕原(あざみばる)、砂原両区の華麗な人形山と三角、四角の形をした提灯(ちょうちん)山の計4台が駅前通りを練り歩く。

 荕原区の住民有志が戦前の盆綱引きを「荕原山笠」として再興。約30年前に隣の砂原区が加わり、現在の名称になった。昨年は2日間で市の人口を上回る2万4千人の見物客を集めた。

 荕原区の世帯数は3月末時点で350世帯。多くの商店が軒を並べた昭和30年代から100世帯以上減った。担い手不足の解消に向けて商工会青年部などが中心となり、2007年に若手の運営組織「若衆会」を結成。地元以外からも協力者を募り、会員は現在80人を数える。

 地区外からの参加には当初、地元の一部から異論も出たが、「時代に合わせて形を変えていかないと、存続さえ危うくなる」。若衆頭筆頭補佐の坂田健一さん(46)は、粘り強く理解を求めてきた歴代の役員たちの思いを代弁する。

 毎年の運営費は、人形山の製作費や花火の打ち上げ料など約400万円。近年はその確保も難しく、今年から佐賀県のふるさと納税の活用を始めた。応援したい団体などを指定して寄付する仕組みで、多久山笠にはこれまでに約40万円が寄せられているという。

 若衆会が担う提灯山は200個以上の提灯を飾り、重さ1・5トン。一つの山を総勢40人が支える。荕原区長の吉松喜介さん(67)は「若衆会は祭りになくてはならない存在。将来を考えて動いてくれている」と期待する。坂田さんは「80年、100年と歴史を積み重ね、名前の通り、多久を代表する祭りにしたい」と話す。

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 山笠の巡行は両日午後7時から。初日は70回記念で餅投げを行い、住民有志が手掛けた「山笠甚句」も披露する。16日は午後9時から花火大会があり、過去最多の千発を打ち上げる。問い合わせは一般社団法人たく21、電話0952(20)2203。

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