選挙速報を受け、集まった支援者と握手を交わす脇山伸太郎さん(中央)=29日午後9時34分、東松浦郡玄海町新田の事務所

 29日に投開票された東松浦郡玄海町長選は、前町議の脇山伸太郎さん(61)が新人同士の一騎打ちを制した。立地する九州電力玄海原発に絡む課題に加え、人口減少や産業振興への対応が迫られている玄海町。現職の後継で、新リーダーとして信任された脇山さんは「人に優しい政治をやるというカラーを出していきたい」と述べ、再稼働後の町づくりに意欲を見せた。

 「よーし、よし」。午後9時40分、新田地区の事務所に当選確実の一報が届くと、詰めかけた約60人の支持者が沸き返った。脇山さんは支援者と固く握手を交わし、ほっとした表情を見せた。

 現職の岸本英雄町長(65)が今年3月の定例議会で、体調不良を理由に3期12年で辞す考えを表明した後、本人から出馬の要請を受けた。町長職や原発立地自治体のトップを目指すという選択に重責を感じ、家族の反対もあって悩んだが、「生まれ育った町のために頑張りたい」と決断した。

 選挙戦では16年の町議経験をアピールした。選挙資料では、原発と町の関係にも触れた。歳入の6割が原発に由来することや、交付金で独自の施策が行われてきたことをつづった上で「町は国のエネルギー施策に寄与してきた」と前向きに捉える姿勢を示した。

 町長に加え、議長ら町議5人が応援した。さらに各地区の世話人や元町議らの加勢も受け、組織力で票を固めていった。相手候補が地盤にしている地区で手を振る人もいて「支持の広がりを実感した」という。

 若者の定住に向けた手だてや、原発以外の産業をどう育てるか、これから手腕が問われる脇山さんは「うれしさもあるが、これから先が大事」と表情を引き締めていた。

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