ドローンを使い粒剤の農薬を散布する関係者=嬉野市塩田町

 小型無人機「ドローン」を活用し、農薬を散布する実証実験が26日、嬉野市の農地であった。稲の株元に寄生する「トビイロウンカ」を対象に、粒剤と液剤の農薬を散布。ドローンを使った予防効果を確認するほか、高齢化が進む農業の分野で作業の効率化を狙う。

 トビイロウンカは稲に寄生する害虫。梅雨前線で飛来し、夏ごろから増え始めるという。ウンカには通常、液剤の農薬を使っているが、ドローンで液剤を散布した場合、風圧の影響で害虫が生息する稲の株元まで届くのかといった疑問があった。今回の実験では、5ミリほどの豆粒の粒剤「スタークル豆つぶ剤」を使い効果を検証した。

 これまで、粒剤の農薬を散布する際は、農地のあぜ道を回りながらひしゃくを使い農薬を投げ込んでいた。また、大規模な農地の場合は実際に農地の中に入って散布する必要があったり、散布場所に偏りが出たりするケースもあった。

 粒剤散布の実験は、同市の農事組合法人「アグリ三新」の農地で行った。粒剤250グラムをドローンに積み、10アールの農地に散布した。粒剤の農薬の散布には通常、30アール当たり3分ほどの時間を要するが、ドローンを使った場合、散布時間は1分ほどに抑えることができるという。

 この日は、ウンカ防除の液剤を散布する実験も実施した。

 技術指導をした藤津農業改良普及センターの上瀧孝幸さんは「田んぼの大区画化が進むと、散布する作業の負担も大きくなる。高齢者が多い農業の分野で、いかに効率的に作業を進めるかを考えていく必要がある」と話す。実証実験に参加したアグリ三新組合員の野田俊行さん(79)は「今年は特に猛暑で作業の負担は大きい。時間や人件費を考えると、ドローンは効率がいい」と期待した。

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