国が訴えを起こしている「請求異議」は本来、不当な強制執行を防ぐための救済の手続き。例えば、確定判決に基づいて賠償金を支払ったのに財産が差し押さえられる場合に、異議を申し立てる手段になる。確定判決で請求異議の理由として認められるのは、訴訟の審理の後に生じた事情の変更など、義務を履行できない困難な事情に限られる。

 確定判決で開門義務を負っている国は訴訟で、開門差し止めを命じた仮処分決定との板挟みになっている状況や、漁業者の開門請求が認められる前提の漁業権が期限を過ぎて消滅していることなどを主張している。

 これらの理由が認められて国が勝訴すれば、開門しないで支払い続けている間接強制金(制裁金)から免れる。つまり、開門義務を果たさなくてもペナルティーが生じず、漁業者側から開門を強制させることができなくなる。一方で、開門命令を言い渡した確定判決自体は、今回の判決後もそのまま残る。

 30日の判決の中で、確定判決を否定するような見解が示される可能性もある。漁業者側の弁護団は「そもそも国は確定判決を履行するのが当然であり、強制されないから義務は果たさなくていいという話が許されるはずがない」と主張している。

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