「わくわく探訪 日本の中のドイツ」著者の真江村晃人さん=佐賀市の佐賀新聞社

 佐賀大学名誉教授の真江村晃人さん(71)=佐賀市=と、長女でドイツ文学研究者のまきさん(41)=広島市=が、日本とドイツの接点を書いた『わくわく探訪 日本の中のドイツ』(三恵社)を出版した。北海道から九州まで丹念に取材し、佐賀の項目では近代医学制度の基礎を築いた相良知安を取り上げた。

 2017年発刊の『日本の中のドイツを訪ねて』に続き、親子2冊目の共著。183ページオールカラーで、歴史資料や現地の写真をたくさん載せて分かりやすくまとめている。

 佐賀藩出身の蘭方医・相良知安についても詳述した。相良は20代の時、長崎でオランダ人軍医のボードインに師事。当時のオランダ医学書のほとんどはドイツの医学原書を訳したもので、ドイツ医学の進歩に感銘を受けたという。相良は、イギリス医学の導入を当然視していた主要官僚を押しのけて日本にドイツ医学を導入した。

 しかし、その強引さがあだとなって官僚から意趣返しを受け、就任していた第一大学区医学校(後の東大医学部)校長や文部省築造局長、同省医務局長を解任させられた。その後は医者を辞め、貧乏長屋で極貧生活を送ることになったことも紹介した。

 「相良は剛直で妥協しない男だが、逆に言えば融通がきかない側面もあった。もっと柔軟な性格だったら出世しただろうに…」と真江村さん。「国同士、いつの時代も問題を抱えているが、互いの良いところは吸収し合うべき。日本とドイツの交流の歴史はその良いモデルになる」と話す。

 値段は3450円(税別)。問い合わせは真江村さん、電話080(5210)2258。

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