優勝が決まった瞬間、メガホンを投げて沸き上がる佐賀商スタンド=佐賀市のみどりの森県営球場

優勝が決まった瞬間、抱き合うなどして沸き上がる佐賀商スタンド=佐賀市のみどりの森県営球場

 赤く染まったスタンドが10年ぶりの歓喜に包まれた。25日の全国高校野球選手権佐賀大会決勝。佐賀商がノーシードから6試合を戦い、県内最多16度目の頂点に立った。古豪復活の第一歩を踏み出したナインと共に「よっしゃー」「甲子園だあ」と拳を突き上げた。

 開始直後から応援団長の重松悠朗さん(17)が声を張り上げた。「応援で1点を取らせる」。約300人の生徒や保護者らが大声援を送る。二回裏、山崎陸選手の適時打で先制。「悔いが残らないようにフルスイングしてこい」と声を掛けていたという父親の潤さん(41)はカメラを構えて見守った。

 同点の五回裏に追加点を奪うと、生徒会長の内山田広輝さん(18)は「暑いけど粘って勝利を」と祈った。緊迫した展開が続き八回表に3-2と追い上げられた。「頼むぞ颯太」。スタンドが固唾(かたず)をのんで見守る中、エースの木村颯太投手が後続を打ち取った。

 酷暑の中、マウンドに立ち続けた息子の姿に、木村投手の母・浩美さん(51)は「本当に頼もしかった。つらいこともあっただろうけど、仲間に恵まれた」と目を細めた。八回裏、優勝を決定づける古賀輝希選手の打球が右翼手の頭上を越えると、三塁側スタンドは最高潮に。父親の裕章さん(48)は「ここで打つのが4番。みんなのためにやってくれた」。

 甲子園への切符をつかんだのは選手だけではない。バトン部キャプテンの平野夏菜さん(17)は「甲子園でも踊ることができる」と笑顔。森田剛史監督と共に甲子園を経験し、定期的に佐賀に通って母校のコーチを務める野中藤吉さん(46)=滋賀県在住=は「俺たちが甲子園に行ったときと似ている。もっと見栄えのいいチームに仕上げていく」と力を込めた。※高校野球佐賀大会・特集サイトはこちら

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