米大統領選について解説した木下英臣氏=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 佐賀新聞社主催の政経懇話会と政経セミナーの合同例会が24日、佐賀市のホテルニューオータニ佐賀で開かれた。共同通信社特別報道室長で、米国大統領選を現地で取材した木下英臣氏が、「流転する世界とアジア トランプ政権を展望する」と題し講演した。トランプ大統領誕生を「史上最大の番狂わせ」と表現、中低所得の白人労働者の支持が影響したと解説した。

 木下氏はトランプ氏が当選した選挙を「私も対抗馬のクリントン(民主党)勝利を信じていた1人。さまざまな予測が見事に外れた」と振り返った。

 民主党が強かったミシガン州などラストベルト(さびた工業地帯)の白人労働者が、トランプ氏の孤立主義的政策に共感したことが一因とし、ヒラリー氏が女性だったことも選挙で不利に働いたと分析した。

 トランプ大統領就任後のパリ条約、TPP(環太平洋連携協定)からの脱退や移民政策などを例示し、「国際協調主義から離脱、離反する政策が目立つ。日本との貿易不均衡も問題視しており、自動車輸入制限もあり得る」と語り、米国の経済政策が日本のGDP(国内総生産)に大きく影響するとの見方を示した。

 トランプ大統領誕生の背景には、複雑さを回避し、分かりやすさを受け入れようとする社会があるとも指摘。「世界の複雑さを受け入れ、複雑だからこそ知恵を出し合う必要がある」と述べた。

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