地域おこし協力隊が取り組んでいる空き家・空き店舗の見学ツアー

有田町に移住し、今春カフェレストランを開店した鈴木達男さん、愛子さん夫妻。店舗立ち上げも人との出会いに恵まれたという=有田町中の原

伝統工芸士の指導で陶芸を体験するお試し住宅の利用者=有田町の県陶磁器工業協同組合

 有田町の移住促進の取り組みが順調に進んでいる。県や町の支援制度による2017年の移住者数は県内4位で、県都佐賀市や福岡都市圏への地の利がある県東部の市町に次ぐ多さとなっている。移住を体験できるお試し住宅や、地域おこし協力隊による移住前後にわたるサポートなどがあり、大都市が近隣にない県西部で健闘している。

 

 町の移住・定住支援制度は、転入奨励金(100万円、加算あり)、持ち家奨励金(40万円、同)、空き家流通促進奨励金(移住者向け20万円、同)のほか、空き家の改修や不要物撤去にも補助がある(いずれも諸条件あり)。住宅に滞在して町での暮らしを知る「お試し住宅」制度もあり、期間中に町の基幹産業の陶芸と農業の体験もできる。

 こうした支援制度を利用した移住者は、一部の制度が始まった09年~17年度の9年間で159世帯484人。ことし7月20日現在までの6世帯17人を加えると501人と、500人を超えた。

 順調に推移している要因は金銭面での支援に加え、3年ほど前から行っている町の地域おこし協力隊によるサポートも大きいようだ。空き物件情報や先輩移住者の体験など移住に関する情報を集めたポータルサイトを運営。移住相談のほか、空き家・物件見学ツアーを毎月開催、移住希望者の要望に応じて物件見学や暮らしを体験するオーダーメードのツアーも企画、きめ細かな支援を行っている。

 内山地区でカフェレストランを営む30代の鈴木達男さん、愛子さん夫妻は昨秋、東京都から移り住んだ。「東京であった移住フェアで、有田町との話が一番具体的に進み、生活のイメージが湧いた」と、協力隊員らのサポートが移住のきっかけになったと話す。

 協力隊の佐々木元康さん、上野菜穂子さんは「幸せに暮らしてもらえるように移住後のフォローも大切」と、住民とつなぐ交流イベントも開いている。

 移住促進の取り組みは空き家対策の一つでもあるが、町まちづくり課は「空き家などを紹介する空き物件インフォメーションへの登録数を増やすことが課題」といい、空き家の所有者への意向調査を進めている。 

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