佐賀県が提示した障害者差別解消条例案を議論した協議会=佐賀市のエスプラッツ

 障害者団体や医療福祉関係者でつくる佐賀県障害者差別解消支援地域協議会の会合が20日、佐賀市のエスプラッツで開かれ、県は9月議会に提出予定の障害者差別解消推進条例(仮称)案を提示した。県民や地域、障害者の努力義務を明示し、紛争防止を図る相談窓口の設置などを県の「責務」として盛り込んだ。県は関係者の意見やパブリックコメントを踏まえ、条例案を調整する。

 県が示した条例案は、県民による合理的な配慮▽地域コミュニティーによる合理的な配慮▽障害のある人からの意思伝達▽県の責務▽市町との連携―の5項目がある。県民には、写真や筆談など相手の障害に応じたコミュニケーション方法を用いることや、点字ブロックや専用駐車場などの設備を使用できる状態を保つことなど5点を求める。

 自治会など地域コミュニティーには、障害に応じた情報提供に加え、行事を誰もが参加しやすいものにすること、災害情報の伝達といった支援を事前に検討することなどを求めている。障害者や家族、支援者には、介助が必要な際や、災害に備えて伝えておくべき点がある場合に「遠慮せずに県民に伝える」と明記した。

 会議には委員約30人が出席し、「障害者が遠慮せずに意見を言える場を提供してほしい」との声や「合理的な配慮」という表現が難解との指摘があった。県は、意見を踏まえて条例案を調整する考えを示した。

 県が7月から交付を始めたヘルプマークについても説明があった。委員から「ある市で、アンケートに答えなかったので交付してもらえなかったという事例を聞いた」と報告があり、県は「アンケートは実施しているが、答えるのは任意。市にきちんと伝わっていなかった」として陳謝した。

 障害者の差別解消を目指す同様の条例は、九州・沖縄では佐賀県だけが未整備となっている。

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