ゲノミック評価導入のためのサンプルを採取する担当者

肉用牛農家やJA担当者らを集めた研修会で、ゲノミック評価の取り組みについて説明する県の担当者=佐賀市のグランデはがくれ

 佐賀県は本年度から、和牛の育種改良にゲノミック評価技術を導入している。雌の子牛から毛根のサンプルを採取して遺伝情報を解析し、遺伝能力の高い優良な繁殖雌牛を早い段階に選別して県内に保留する。育種改良の効率とスピードアップにつなげる狙い。

 2016年度の肥育牛(去勢牛)の枝肉成績で、県内産は「枝肉重量」と「ロース芯面積」で全国平均を下回っている。県和牛改良検討会は、この2点に「脂肪交雑(BMS)」を加えた3形質を重点的に改良する方針を決定している。

 従来の牛の能力評価手法は、産んだ子の枝肉成績をもとに両親の産肉能力を推定する必要があったため、評価までに5、6年かかることが課題。優良な雌牛が県外に売られたり、肥育に回ったりする可能性もあった。ゲノミック評価は、子牛を産む前の段階で、直接その牛の遺伝情報を解析して産肉能力を推定できる。精度も従来の手法と同程度という。

 県は家畜改良事業団と連携して評価技術を導入する。生後2、3カ月で行われる巡回検査に合わせて子牛から毛根のサンプルを採取し、県の畜産試験場が窓口となって事業団に評価を依頼する。結果は1カ月ほどで分かり、雌の子牛が優良牛か一般牛かを出荷前に仕分けできる。

 県内では毎年、繁殖候補の雌子牛約千頭が登録されており、本年度は525頭を検査する。既に唐津市で先行して運用が始まっている。評価結果を踏まえ、JAを主体としたチームで血統のバランスなどを考えた交配のアドバイスも行う。選定した母牛をもとに、種雄牛の造成にもつなげる。

 県は17日、佐賀市で肉用牛農家らを集めて研修会を開催。県の計画のほか、家畜改良事業団や先進県・岡山県の取り組みも紹介した。県畜産課の田代浩幸課長は「ゲノミックは万能ではないが、非常にいいデータになる」とし、活用に力を入れていく考えを示した。

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