九州新幹線長崎ルートの与党検討委員会は19日、都内で会合を開き、7月中に「一定の結論を出す」としてきた新鳥栖-武雄温泉間の整備方式について結論を先送りし、今後は全線フル規格かミニ新幹線の二択で検討を進める「中間取りまとめ」を決定した。開発中のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の導入は正式に断念した。

 山本幸三委員長(衆院福岡10区)は佐賀、長崎両県とJR九州に中間とりまとめを示し、「今後の検討に協力を求める」と話した。結論を得る時期については「いつまでとは言えない。もう少し時間がかかる」とした。佐賀県は全線フルかミニ新幹線かという方式論にかかわらず、追加負担は受け入れられないとする立場を表明しており、協議は難航が予想される。

 検討委が目指していた2019年度政府予算の概算要求に、環境影響評価(アセスメント)に必要な調査費を盛り込むことは見送る。

 長崎ルートは2022年度に武雄温泉駅で新幹線と在来線を乗り継ぐ対面乗り換え方式(リレー方式)で暫定開業するが、中間とりまとめでは「全国的な高速鉄道ネットワークの形成を妨げる対面乗り換えが恒久化することはあってはならない」とする基本的な考え方を示した。

 また、全線フルに関して「時間短縮と収支改善の効果が大きい一方、建設費も大きく、並行在来線に課題がある」と評した。ミニ新幹線に対しては「建設費が小さい一方、時間短縮効果は限定的で工事中や開業後の在来線の運行に影響が生じる恐れがある」と指摘した。

 その上で、対面乗り換えの恒久化を避けるため、「総合的に検討して二つの方式のいずれかを選択する必要がある」と結んだ。

 FGTの最高速度では山陽新幹線に乗り入れできないため、与党として「新大阪への直通を前提とする長崎ルートへの導入は断念せざるを得ない」と判断した。

 検討委はJR九州と長崎県との間で、佐賀県の追加負担の軽減策に関して協議を進めているが、山本委員長は報道陣に「今、一生懸命に努力しているところ。どれだけ軽減できるか、細かく詰めていくことになる」と述べるにとどめた。

このエントリーをはてなブックマークに追加