福岡空港(共同通信社ヘリから)

 国土交通省は18日、2019年4月に予定する福岡空港(福岡市)民営化で、運営委託先に選んだ九州電力や西日本鉄道などの「地元連合」による提案内容を公表した。民営化後30年となる48年度までに就航路線を100路線、利用旅客数を17年度の約1・5倍に当たる3500万人に増やすのが柱。九州の玄関口として存在感を高め、地域活性化につなげる狙い。【共同】
 運営権の対価として、地元連合は当初200億円、その後も30年間、年142億円ずつの計4460億円を支払う。このほか2千億円超の設備投資を計画しており、こうした負担を上回る収益を確保できるかが課題だ。
 路線数は、アジア路線を中心に積極的に誘致し、国内、国際線を合わせて50近い現状から倍増させる。その施策として、新規就航を促す着陸料の割引を導入するほか、格安航空会社(LCC)棟を新設するなどして受け入れ能力の拡大を図る。
 同時に、早朝、深夜便や貨物便を24時間利用できる北九州空港(北九州市)に誘導するなどして連携を深めるという。
 利用客が九州、中国地方の主要都市や観光地に直接アクセスできるよう国際線エリアにバスターミナルを新設。ターミナルビルには複合商業施設や高級ホテルなども整備して魅力を高め、集客力の向上も目指す。
 国交省は同日、運営委託先を選定した際の項目ごとの評価点も公表。地元連合の提案は他の2陣営と比べ、空港活性化への設備投資額や、利用者の利便性向上の計画内容が大きく上回ったことが、選定につながった。

■観光地にバス直行便 アジアから旅行客期待

 2019年4月に民営化される福岡空港の将来像が18日明らかになった。アジア路線の積極誘致などで利用旅客数を大幅に増やすことや、ホテルや商業施設の整備で集客力向上を目指すとの内容だ。観光地までの交通アクセスを改善、強化して旅行客の誘導が図られ、九州全域への波及効果への期待が高まっている。
 「たくさんの外国人客に自然を楽しんでもらいたい」。空港からの直通バスの新設計画に盛り込まれた宮崎県の高千穂町観光協会の興梠章事務局長は集客効果に期待する。計画では、熊本県の黒川温泉や阿蘇、大分県の湯布院など全国有数の観光地へのアクセスが向上する。九州経済同友会の貫正義代表委員も「インバウンドの獲得効果がある」と評価している。24時間稼働する北九州空港(北九州市)との連携による物流網拡充が、九州経済を底上げするとの指摘もある。日銀の宮下俊郎福岡支店長は18日の記者会見で「インフラ面が整備されれば空港の優位性がさらに増す。アジアに近く発展の余地は大きい」と強調した。
 空港運営に関わることになる九州電力は「旅客数や貨物の取引量を増やし、九州や西日本の経済発展に貢献したい」と意気込む。西部ガスも「東アジアトップクラスの空港に発展するよう協力する」としており、九州の地元企業が一丸となり、空港を核に地域経済の底上げにつなげる構えだ。

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