Q リレー方式とは?

武雄で特急と新幹線乗り換え

 九州新幹線長崎ルートは2022年度に武雄温泉-長崎間が整備されて暫定開業する計画になっている。フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の開発が間に合わなかったため、武雄温泉駅で在来線の特急と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」で運行する。

 博多-武雄温泉間(82キロ)は在来線、武雄温泉-長崎間(66キロ)は新幹線を利用する。武雄温泉駅のホームの両側に特急と新幹線が止まり、対面で乗り換えができるようにする。ホームの改修など追加工事に約70億円かかり、地元の佐賀、長崎両県には実質的な負担がない。九州新幹線鹿児島ルートでは部分開業時の7年間、新八代駅で同様のリレー方式を実施した。

 運行本数は未定だが、武雄温泉駅は佐賀駅と同じように博多駅からの全ての特急が停車するようになり、利便性は向上する。ただ、博多との間は最速でも特急の運行にとどまるため時間短縮効果は見込めない。

 FGTを導入するか、別の整備方式に見直されない限り、長崎ルートのリレーは続く。JR九州は「長期化は収支採算性が成り立たず、経営上大きな問題になる」と難色を示している。

Q 関西直通どうなる?

「フリーゲージで実現」国が断念

 佐賀、長崎両県は、長崎ルートを整備する理由として、FGTが山陽新幹線に乗り入れて、中国地方や関西方面へ乗り換えなしに直行できる効果を挙げてきた。FGTで関西直通を実現する約束で計画に同意し、巨費を支出してきたが、国土交通省は今年3月になって、FGTは山陽新幹線に乗り入れできないという見解を初めて示した。

 FGTの最高時速が270キロなのに対し、山陽新幹線は最高時速300キロで走行する。国交省は、FGTの最高速度を上げると安定性に問題が生じ、ダイヤ編成にも影響を及ぼすとして、山陽新幹線への乗り入れは難しいと判断した。

 乗り入れの可否が曖昧なまま、計画が進められてきた側面があった。国は長崎ルートの費用対効果の算出などで乗り入れを前提にしていた一方、山陽新幹線を運行するJR西日本は難色を示してきていた。

 国交省は、全線フル規格やミニ新幹線なら山陽新幹線への乗り入れが可能とする。ただ、新大阪駅の発着枠は限られ、リニア中央新幹線の乗り入れなどを見据え、大規模な地下ホームを新設する検討が始まっている。長崎ルートがいずれの整備方式になるにしても、新大阪駅の拡充は欠かせないようだ。

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