講演でキリバス共和国や地球温暖化について話す日本キリバス協会代表理事のケンタロ・オノ氏=佐賀市の市立図書館

 日本キリバス協会代表理事のケンタロ・オノさん(41)=仙台市=が11日、佐賀市の市立図書館で、太平洋の島国・キリバス共和国と地球温暖化について講演した。キリバスの国籍を持つオノさんは、同国が気候変動で深刻な被害を受けていることを伝え、「地球温暖化は人災」と繰り返した。

 講演は県地球温暖化防止活動推進員研修会として、県が主催した。オノさんは、温暖化の原因となる温室効果ガス排出を抑えるため、普段の生活の中で「一人一人が少し考えて行動に移して」と訴えた。キリバスから美しい自然が消えることや、子どもたちが将来母国に住むことができなくなる恐れもあることに心を痛め、「地球温暖化は人災だが、人が解決することができる」。日本で発生している自然災害にも触れ、「日本でも既に気候“危機”が起こっている」と警鐘を鳴らした。

 キリバスは33の環礁からなり、ほぼ全ての島で平均の海抜は2メートルほど。国の半数近い人口が集中する首都タラワでは島の横幅は平均で350メートルしかない。このため、地球温暖化や気候変動による影響を受けやすく、近年は高潮時に町が浸水することが年に数回あるという。このままでは最悪の場合、約30年後にタラワの約8割が海水に浸水する可能性が指摘されている。

 聴講した同推進員の山口昭徳さん(74)=伊万里市=は「知らない世界に触れられた。地球温暖化を身近な問題と考え、これまで行ってきた啓発活動を分かりやすくすべきだと再認識した」と口調を強めた。

 オノさんは高校生だった15歳のときにキリバスに留学。卒業後も滞在し、国籍を取得した。日本に再移住した後も、キリバス大使顧問や、同国の名誉領事を務めた。

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