旧呼子線のトンネルを利用したハム貯蔵施設=平成23年7月13日、唐津市浦

 建設が中止された旧国鉄呼子線のトンネルを活用して、唐津市と九州大が共同研究を進めてきたエコ貯蔵施設が完成し、関係者に公開された。温度と湿度を安定制御できる特性を生かし、ハムやソーセージの低温熟成が可能となった。

 同市浦にある「鳩川トンネル」(全長73メートル、高さ5メートル、幅3・8メートル)の利活用に向け、唐津市と九州大が2007(平成19)年に研究会を立ち上げた。断熱パネルや家庭用エアコンで温度の異なる空間を四つ設け、低コスト・省エネでの温度・湿度の制御や食品貯蔵のための実証実験を進めてきた。

 手作りハム・ソーセージの製造販売「唐津くん煙工房」が施設を譲り受け、商業利用を始めた。同社の「トンネル熟成」はその後、ドイツの食品コンテストで金賞に輝くなどブランド化に成功。ふるさと納税の返礼品にも並んでいる。

 呼子線は1968(昭和43)年に唐津-呼子間で着工したものの、完成間近の80(同55)年、国鉄再建で工事が凍結された。(新元号まであと292日)

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