背景解明へ継続報道を

 ネット時代を迎えたが、私にとっての情報源は新聞が一番だと固く信じている。記者の氏名が掲載されるようになり、なおさら信頼感は高まってきた。新聞の情報を自分なりに分析して、判断が正しかったのか、後日、確かめている。その意味で6月は今後の展開や動機解明がどうなるか、尾を引く出来事が多かった。

 最大の出来事は「米朝首脳会談」だろう。トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が6月12日、シンガポールで会談し共同声明に署名したが、詳しい内容は今後の協議に持ち越された。北朝鮮得意のカードを多用した交渉を見守るしかないが、われら日本の頭上をミサイルが飛び交うことだけは無しにしてもらいたい。過去の裏切りの歴史を棚上げするのか。不安な思いを拭えない国民も多い。私もその一人である。

 この歴史的米朝会談の最終的な目標にすべき「北朝鮮による核兵器の廃棄」と「アメリカによる北朝鮮の承認と安全保障」に向けて、取材陣の能力を存分かつ継続的に発揮してほしい。

 幼い子どもへの虐待、そして尊い命が失われる事件が続く。「もうゆるしてください。おねがいします」。わずか5歳のわが子の必死の懇願が届かない実母の心とは。子育て世代の心に潜む闇に、いかなる問題があり、なぜ繰り返されるのか。児童相談所をはじめ関係部署への取材に全力を挙げて再発防止に大きく踏み出せる機運をメディアにお願いしたいものだ。悲しいニュースはもうご免だ。

 安全であると信じられてきた新幹線の車両内で殺傷事件が起きた。「むしゃくしゃした。誰でも良かった」と犯人。切り付けられた女性をかばい、殺された男性。悲しい現実に胸が痛む。自分の心のコントロールが不能になり、他人を殺(あやめる行為がなぜか多い。同様に衝撃的な交番襲撃と拳銃強奪、そしてその拳銃の凶弾で2人の命が奪われた。国民の安全を守るべき警察・交番が襲われる事態は、安心して暮らすことができなくなり、ひいては人間不信が際限なく広がる。「人を見たら泥棒と思え」的な社会は欲しくない。事件の裏に潜む病んだ心を解明する取材・報道に期待する。

 後継者不足による企業倒産が増加している。佐賀県内ではこの5年間で23件発生している。根本的な解決策を講じないと雇用喪失につながる。他人に企業を譲る、売る、任せる。いずれも経営者にはつらく苦しい選択であろう。建設業だった私自身、そうだった。技術と雇用を守り、誇りを持った人材を生かしてほしい。人手不足の時代。地域の企業と人をつなぐ上でも報道の果たす役割は大きい。

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