一般的なナスより2~3倍大きな桐岡なす(多久市役所提供)

 「桐岡なす」は多久市多久町桐岡地区で昔から受け継がれてきた伝統野菜です。一般的なナスと比べて大きさが2~3倍(400グラム程度)もあり、ずんぐりとした、ラグビーボールのような独特の形をしています。この形が箱詰め出荷や輸送に不向きとされ、自家消費用として細々と栽培されていましたが、味のよさから地域ブランドに育てようとの試みが進められています。

 桐岡地区の生産者の方のお話によると、桐岡なすは身が大きいため、一般的なナスよりも成長に時間がかかり、また豊かな水と日光が不可欠で、日光を遮る葉を取り除くなど、細かな目配りが必要とのことでした。

 桐岡なすはきめ細かな肉質で種が少なく、皮が柔らかいのが特徴です。火の通りが早くて煮崩れしにくく、アクが少なく甘みが強いため、どんな調理法でもおいしくいただけますが、特に焼きなすがおすすめです。適度な大きさに切ってステーキのように焼くと、柔らかくとろけるような食感で、甘みと油が合わさってクリーミーな味わいが楽しめます。

 桐岡なすの旬は7月~9月。多久市内の農産物直売所などで販売されています。

(志佐 喜栄・多久市郷土資料館)

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