記録的な大雨に見舞われた佐賀県内で9日、被害状況の調査が進められた。県によると、これまでに唐津市や武雄市など11カ所で崖崩れの発生を把握し、住宅被害は三養基郡基山町で半壊3件、一部損壊は佐賀や唐津など5市で6件を確認した。農作物の被害の全容把握には時間がかかる見通し。

 県によると、ため池は6カ所、農地や農道、農業用水路は75カ所が被災した。農作物の被害の面積や金額などは集計を進めている。佐賀市富士町の杉山地区で山崩れにより水田に土砂が流れ込む被害に遭った鳥谷良太郎さん(39)は「農地の復旧には数千万円かかるのではないか。せっかく山間部で頑張っているので何とかしたいが、再生は厳しい」と話した。

 JA佐賀中央会によると、山間部は通行止めで現地に近づけない所も多く、被害の確認が難航している。平野部も、冠水した水稲などが順調に生育するか見極めるのに時間がかかるという。担当者は「どこまで被害が膨らむのか、影響を注視しなければならない」と説明する。

 県内の住宅被害は床上浸水が唐津市や武雄市など8市町で24件、床下浸水は6市町で130件確認され、さらに増えるとみられる。

 県管理の道路は62カ所で土砂流出などの被害を把握している。伊万里市東山代町では、滝野小中学校前の県道が土砂崩れで通行止めになり、通学に支障が出ている。児童生徒19人のうち8人が迂回を余儀なくされ、坂本和人校長(54)は「夏休みまでの間、保護者には送迎で負担を掛けることになる。ただ、2学期になっても復旧しているかどうか分からない」と見通せない状況に不安を募らせた。

 唐津市東城内の唐津城では、東側斜面が高さ約20メートルにわたって崩落しているのが確認された。佐賀市富士町では北山ダム付近の市道が約30メートル崩壊し、そばの21世紀県民の森のサイクリングロードも約60メートルにわたって崩れた。市道は通行止めになり、サイクリングロードも使用を中止している。

 のり面崩壊などで通行止めになっていた長崎自動車道上りの東脊振-鳥栖間や多久市北多久町の国道203号は8日朝、通行できるようになった。

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