佐賀県初の特別警報発令を受け、「命を守る行動」として約4千人の県民が避難所で一夜を明かした。

 市内全域に避難指示が出た唐津市。浜玉町の平原小に開設された避難所にはピーク時に51世帯114人が身を寄せ、町内のグループホーム「みかんの里」の利用者23人の姿もあった。前川知美代施設長(64)は「避難経験がなく、何をどう準備すればいいのか分からなかった」と話し、長期避難も想定して、利用者の薬を保管する棚を丸ごと持ち込んで備えた。

 武雄市武雄町の女性(32)は3歳の双子の娘と武雄公民館に避難した。「自宅近くの山が砂防工事中で、土砂崩れがあったら娘たちを守り切れない」と布団持参で訪れ、8畳の部屋で別の一家と過ごした。「避難は初めてだったけれど、意外と眠れた」と話し、災害対応の仕事を終えて迎えにきた夫と帰宅した。佐賀市大和町の春日北公民館を利用した女性(58)は眠れず「何気ない、いつもの生活が本当にありがたい」としみじみと語った。

 三養基郡基山町園部の自宅から逃げた天本俊昭さん(59)は6日夕の出来事を振り返る。「そばを流れる川でゴトゴトと岩が動くような音がしたから危ないと思って、離れの2階に避難したら、あっという間に水が入ってきた」。消防の救助を待ったが、その間にも水や土砂の量が増し、「雨が小降りになった隙に家族4人で家を出た」。

 避難所で過ごして帰宅すると、家を岩や土砂が埋め尽くしていた。天本さんは「今はパニックで何も考えられない。立て直すにしても同じ場所では怖い」と不安を漏らした。

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