特攻隊ゆかりのピアノ譲渡を山下英雄鳥栖市長(手前)に相談する知覧町の平木場助役(左端)=平成3年7月10日

 鹿児島県知覧町(現南九州市)の助役ら3人が鳥栖市を訪れ、鳥栖小にある特攻隊ゆかりのピアノについて、山下英雄市長(当時)に譲渡を申し入れた。山下市長は保存を求める声がある事情などを説明し、この時は即答を避けた。

 鳥栖町婦人会が1931(昭和6)年、同校に贈ったドイツ・フッペル社製のグランドピアノ。45(同20)年5月、出撃を控えた2人の特攻隊員が同校を訪れ、ベートーベンの「月光」を演奏した。その後処分の動きがあったものの、当時の演奏に立ち会った元教諭の上野歌子さんが保存を呼び掛けていた。

 知覧町は「知覧特攻平和会館」でピアノを展示する意向だった。この翌月開かれた鳥栖市文化財保護審議会で保存が決まり、同町からの申し入れは断ったものの、93(平成5)年春から同町に一時的に貸し出された。

 上野さんは92(同4)年2月に66歳で亡くなった。翌93年には、隊員らの逸話を元にした映画「月光の夏」が公開され話題となった。

 現在、ピアノはサンメッセ鳥栖に展示され、”平和の象徴”として市民に愛されている。(新元号まであと296日)

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