九州アグリコール太良が手がける茶園。伊藤園が栽培技術を指導し、生産した茶葉は全量買い取っている=藤津郡太良町

耕作放棄地だった場所を造成して新植した九州アグリコール太良の茶園=藤津郡太良町

 伊藤園(本社・東京都渋谷区)は、耕作放棄地などを大規模な茶園に造成する「新産地事業」を佐賀県内でも始めた。藤津郡太良町の農業法人と昨年、事業契約を締結。生産した茶葉を自社製品用として全量を買い取るだけでなく、茶葉の生産技術やノウハウを全面的に伝えて農家の人材育成も図ることで、地域活性化や雇用創出にも一役買う。

 主力商品「お~いお茶」などで知られる伊藤園は、国内荒茶生産量の約4分の1にあたる約2万トンを取り扱う。全国的に茶の生産量や栽培面積が減少する中、高品質な茶葉の安定調達と品質の向上を目的に、温暖で栽培に適した九州5県7地区で茶産地育成事業を展開している。契約栽培も含めると茶園面積はトータル約1400ヘクタールに達し、今後、2千ヘクタールを目標に掲げる。

 太良町では、吉田海運グループ(本社・佐世保市)が設立した農業法人・九州アグリコール太良と連携。同法人は引き取り先がなかった茶畑と工場を購入して昨年から生産を始め、元茶農家や新卒の学生など5人を正社員として雇用している。今年は耕作放棄地を造成して1・2ヘクタールを新植するなど15ヘクタールを運営、将来的に50ヘクタールまで拡大して雇用も増やす方針。母体企業が運送・倉庫業を営んでおり、自社トラックで工場へ直送できるメリットもある。

 九州アグリコール太良の山口剛史取締役は「耕作放棄地を茶畑でよみがえらせて地域貢献するビジョンに共感した。全量買い取ってもらえるのは強み。栽培のノウハウはなかったが、(伊藤園の)技術部の方にポイントごとに指導をしていただいている」と話す。

 伊藤園の担当者は「すでにかなりいい茶葉を作ってもらっている」と評価し、「安定的、永続的に回せる事業の仕組みを作れば、後継者問題の解決にもつながる」としている。

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