Q.ミニ新幹線 仕組みは

在来線に幅広いレール

 九州新幹線長崎ルートの整備を巡り、フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)に代わる案として、全線フル規格とは別に浮上している方式がミニ新幹線だ。

 ミニ新幹線は、在来線区間の狭いレール幅(狭軌)を、新幹線幅(標準軌)に広げる。そうして、新幹線区間と「アプローチ線」と呼ばれる線路で結び、乗り換えなしに同じ車両で直通走行できるようにする。走るのは特急サイズの車体に新幹線幅の車輪を付けた特別な車両。「主たる区間を時速200キロメートル以上で走行」という新幹線の法的な定義からは外れる。

 整備方式を巡る議論の焦点は、長崎-武雄温泉間のフル規格区間と、武雄温泉-新鳥栖間の在来線区間をどうやって直通運転させるかだ。

 車両の車輪幅を変えてその実現を試みるFGTに対し、ミニ新幹線は在来線区間のレールを敷き直して課題をクリアする。在来線の線路を使うため、用地買収や大がかりな工事を省くことができ、フル規格より大幅に費用を抑えられると国土交通省は説明している。

 

Q.運行の実績は

秋田と山形で四半世紀

 九州での実績はないが、山形、秋田新幹線で四半世紀前から運行されてきた。

 長崎ルートとミニ新幹線の相性に関し、国土交通省は太鼓判を押す。「勾(こう)配(ばい)やカーブが少ない佐賀県側の在来線区間は山形、秋田と比べてもミニ新幹線に適している」と分析する。

 それでも、関係者の反応は芳しくない。JR九州は工事中や開業後に在来線の列車の所要時間が増え、減便を伴うなど影響が大きいと指摘。高架で守られるフル規格と比べて輸送障害も起きやすく、「解決すべき課題がある」とした。

 長崎県も、10年以上かかるとされる工事で利便性の低下が長引けば「鉄道離れによるにぎわいの喪失や、民間投資の意欲減退につながる」と否定的だ。佐賀県は態度を表明していないが、フル規格ほどではないにせよ、追加負担が生じるため消極的だ。

 一見、誰も望んでいないようだが、国交省関係者は「JR九州は全否定はしておらず、長崎県もFGTと同じ効果が得られる以上、強固に反対はしにくい」との認識を示す。しかし、鍵を握る佐賀県が難色を示せば「実現は見通せない」とみている。

【次の記事】⇒そこが知りたい新幹線長崎ルート(4)ミニ新幹線

このエントリーをはてなブックマークに追加