会誌「丹邱の里」の新刊を手掛けた多久市郷土研究会の尾形善次郎会長(右)と桑原峰俊副会長

 多久市郷土研究会(尾形善次郎会長)は、会誌「丹邱(たんきゅう)の里」の新刊を発行した。17冊目となる今回は原始・古代を特集し、聖武天皇の勅令で建てられ、「天皇さん」の呼び名で地域に親しまれている妙覚寺(南多久町)などを紹介。国の変遷と多久市との結びつきを史実に基づき、易しい言葉で書き下ろしている。

 会誌の発行は2015年の16号から3年ぶり。B5判100ページで、住民有志の会員25人が約1年かけ、多久市に関連する史実や伝承を検証した。

 原始・古代を時系列で振り返る「総論」と、各会員が研究発表を執筆した「各論」の2部構成。漫画の挿絵や写真も多く取り入れ、「生きた教材」として子どもたちが身近に活用できる内容になっている。

 発掘調査が進む弥生時代の牟田部遺跡(南多久町)については、市内で初めての前方後円墳が確認され、石室から馬具の一種の「三環鈴(さんかんれい)」が出土している状況を紹介した。

 中学校で社会科を教え、市教育長も務めた尾形会長(84)は「奈良に巨大な古墳があるように、この地にも豪族が現れ、古墳を造った。足元の歴史を見つめ、県内や国内外に視野を広げる手だてになれば」と話す。

 400部印刷し、価格は1200円。市中央公民館や物産館「朋来庵」で販売しているほか、市内の義務教育学校3校や図書館に贈る。問い合わせは市郷土資料館、電話0952(75)3002。

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