休廃業が相次ぐガソリンスタンド。競争激化が背景にある=佐賀市(5月下旬撮影)

 佐賀県内でガソリンスタンドの廃止や休業が相次いでいる。1995年度末に県内で601カ所あったスタンドは、17年度末には300カ所に半減。日常生活に自動車が欠かせない佐賀県で減少が続く背景には、セルフ給油の解禁や原油高に伴う価格高騰による競争激化があるとみられる。

 スタンドの減少が始まった要因の一つに、石油関連規制の緩和がある。96年、国内石油業者を保護するための「特定石油製品輸入暫定措置法」が廃止になり、石油商品の輸入自由化が実現、石油精製や石油元売り会社の再編が活発になり、その年から5年で102のスタンドが休廃業した。

 98年に有人セルフ方式のスタンドが解禁され、従業員を配置するコストが抑えられることからセルフ方式に業務体制を変える業者が続出。従来のスタンドより割安なため、セルフスタンド同士の価格競争が激化し、フルサービスの業者も巻き込まれる形となった。

 2008年、原油高に伴い、県内レギュラーガソリンが1リットル189円の高値を記録。仕入れ値の高まりを受けて価格に転嫁したが利益を出すことが難しくなり、この年に最多の28スタンドが廃止、6スタンドが休業になった。

 その後も毎年、平均約13スタンドの休廃業が続いている。今後は大手元売りメーカーの統合に伴い、さらなる減少が懸念される。県石油商業組合は「このまま減少が続けば、緊急時や災害時のエネルギー供給が難しくなる。近くにスタンドがないために“給油難民”が発生する可能性もある」と話す。

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