13年ぶり、3冊目となる小城市芦刈町の歴史研究誌を出版した岡本澄雄さん=同町

 元小城市職員で小城郷土史研究会副会長の岡本澄雄さん(68)=同市芦刈町=が、町の成り立ちをたどる書籍『芦刈の千年あれこれ』を出版した。文献の収集・研究や住民への聞き取りなどで、町内に残る伝承や伝説も丹念に掘り起こしている。

 研究会の会報に寄せてきた内容を中心にA4判、182ページのオールカラーでまとめた。「我が故郷にも、天変地異とまではいかないまでも幾多の災害、紛争があった。先人たちがこれらの苦難を乗り越えたことで今の町がある」。岡本さんは巻頭にこう記し、発刊の思いを寄せている。

 全約80項目。1974年に編さんされた芦刈町史に掲載されていない史実もある。戦国時代に起きた合戦を紹介した項目がその一つ。豪族の鴨(かも)打(ち )家と徳島家が争った天文20(1551年)の「芦刈の戦い」など四つの合戦の背景を論考した。

 学術書と異なり、楽しく読める歴史本としての要素も。「芦刈町にも牛津町の飛び地があった」「殿さんの家来にも家来がいた」などと遊び心のある項目名が付けられ、「芦刈における『南里』姓のルーツ」では、天明年間(1781~89年)に佐賀鍋島藩に提出された家系図を示し、「古賀」「森永」に次いで町内に多い名字の謎に迫っている。

 岡本さんは町職員だった1993年に『ふるさとの地名をたずねて』を自費出版。2005年には、郷土に功績を残した人たちをたどる『ふるさと人物史「芦刈」の77人』を手掛けた。

 13年ぶりとなる新刊は明治維新150年を機に1年前から温めてきた企画で、「芦刈者(もん)がその時代にどのように生きてきたのか、未来に向けてどう生きていくべきかを考える一助になれば」と話す。

 500部を製作し、市内の学校や図書館に贈るほか、1部3千円で販売している。問い合わせは岡本さん、電話090(5293)3301。

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