がん患者(手前)の悩みに耳を傾けながら、リンパマッサージを施すセラピスト=多久市中央公民館

 がん患者やその家族の不安や悩みを聞き、心の負担を軽減する「がんサロン」が1日、多久市であり、乳がんの治療を続ける患者や遺族ら6人が参加した。がん患者としての経験を生かして相談に応じる「ピアサポーター」や、看護師の資格を持つ相談員がじっくりと耳を傾け、一人一人に寄り添った。

 がんサロンは2016年6月、乳がん治療を9年間続けるピアサポーターの進藤和美さん(57)=多久市=らが設立した。サロン名は「ハート」。県がん総合支援センター(佐賀市)と共同で毎月第1日曜、多久市内で無料で開いている。

 乳がんや子宮がんは手術の際、がんの広がり具合を確かめるため、リンパ節を一緒に切除するケースがある。リンパ液の流れが悪くなり、腕や脚がむくむ後遺症に悩んでいる人も多く、この日は専門のセラピストがアロマを使ってマッサージも施した。

 2度目の参加という市内の女性(49)は3年前、乳がんが見つかり、乳房を全て切除した。「同じ体験をしたからこそ気持ちが通じ合う」。ピアサポーターと言葉を交わすことで心が落ち着き、「また治療を頑張ろう」と思えるという。

 日本では2人に1人ががんにかかり、多くの人が治療しながら社会生活を営んでいる。ただ、がんへの偏見などで患者であることを人に知られたくないという人も多い。進藤さんは「がんは身近な病気。1人で抱え込まずに、少しでも笑って前を向いて過ごせる力になれたら」と話す。

 県内には「ハート」を含め、県がん総合支援センターが支援するがんサロンが4カ所あり、がん患者会や遺族の会も活動している。問い合わせは県がん撲滅特別対策室、電話0952(25)7491。

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