築40年以上が経過し、老朽化が進んでいる県立点字図書館。県は改築を検討している=佐賀市天神

シロアリ被害を説明する点字図書館の野口館長=佐賀市天神

 開館から40年以上たつ佐賀県立点字図書館の改築が検討されている。書庫が手狭になり、バリアフリー対応も必要となっている。検討委員会を設けて議論したが、現地建て替えか移転かの結論が出ず、2017年度に策定する予定だった基本構想も1年先送りになった。耐震診断の結果に大きな問題はなかったものの、シロアリ被害で壁の一部が剥がれるなど劣化が進んでおり、県は場所選定へ向け調整を急いでいる。

 点字図書館は1972年に開館した。鉄筋コンクリート2階建てで、延べ床面積は421平方メートル。利用登録者数は約350人で、5年前に比べ約20人増えた。視覚障害者数2633人の13%に当たる。17年度の貸出件数は約1万9千件で、5年前より約2千件増加、CD図書が約9割を占め、テープや点字図書は減少傾向にある。

◆トイレも不便

 1階には書庫や閲覧室があり、点字図書7千点、音声図書1万4千点を所蔵している。音声図書を制作するための録音室、県視覚障害者団体連合会事務局がある。2階には会議室があり、点訳や音訳のボランティアの養成に使われている。

 閲覧室は28平方メートルで、九州内の同様の施設と比較すると、約半分の広さしかない。録音室は二つあるブースのうち一つは防音が不完全なため使用できない。書庫は手狭で、一室の壁はシロアリ被害で傷んでいる。

 また、バリアフリーが不十分で、エレベーターがなく、2階に上がるには階段しかない。男性トイレと多目的トイレが1階、女性トイレが2階にある。

 県は、改築を含めたハード、ソフト両面の在り方を検討するため、有識者や視覚障害者、ボランティアら10人による検討委員会を16年度に設置し、会議を4回開いた。報告書によると、移転候補地として南側に隣接する旧総合保健会館が示されていた。

◆利用者の思いを

 委員を務めた県立盲学校同窓会の坂井信男会長(73)は新たな施設について「当事者をサポートする役割も持たせてほしい」と話す。県視覚障害者団体連合会の森きみ子会長(63)も「利用者の思いを反映し、寄り添う施設にしてほしい」と述べ、情報提供にとどまらない役割を求めている。

 基本構想では場所の他、開館時期を示すとみられる。県障害福祉課は「立地場所をどうするか検討に時間を要している。年度内に構想案を示せるように調整を急ぎたい」としている。

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