実際にあった偽通販サイト。食品やゲーム機、スポーツ用品などを割引価格で表示している(佐賀県警提供)

 インターネットの通販サイトを装い、商品を届けずに現金をだまし取る「偽通販サイト」の手口が巧妙化している。佐賀県内は今年、前年を上回るペースで被害が相次ぎ、決済手段としてコンビニ設置の端末を悪用したケースも初めて発生した。県警は被害申告をもとに偽通販サイトへの対策を講じており、「サイトを見極める目を持ち、被害に遭ったら届け出てほしい」と呼び掛けている。

 県警サイバー犯罪対策課によると、偽サイトは実際にあるサイトを模倣したケースや、独自に作成されたものがある。登場し始めた10年以上前は、不自然な日本語表記などから「一見して気付く」(同課)内容だったが、近年は模倣の度合いがエスカレートし、信ぴょう性を出すために架空の連絡先を表示したり、実在する会社の情報を無断で記載しているという。

 被害は県内でも相次いでいる。鳥栖市の30代男性は今年4月、「格安」をうたう革製品のサイトで約5万円の財布を購入した。商品が届かなかったため県警に届け出ると、偽サイトと判明した。5月には県内のリース会社に「お金を払ったのに商品が来ない」という身に覚えがない苦情が寄せられ、会社がそのサイトを調べると、住所や役員名が無断で使われていたことが分かった。

 決済方法は、違法に取引された外国人名義の個人口座への入金などがあるが、新たな手口も現れている。偽サイトと知らずに財布の購入手続きをした佐賀市の20代男性は5月下旬、コンビニに設置されている多機能端末でサイトから指定された番号を押し、支払い手続きをした。これは財布とは関係ない別の商品の番号で、犯人側が正規のサイトで注文し、男性に代金を肩代わりさせる手口だった。

 ほとんどの偽サイトはサーバーが海外にあり、捜査やサイトの閉鎖が困難な状況にある。このため、警察は偽サイトを見つけたらウイルス対策ソフト会社に通報。パソコンやタブレット端末などに対策ソフトを導入していれば、指定の偽サイトへのアクセスを防げる仕組みになっている。

 県警は今年6月28日までに計12件の偽通販サイトをブロックした。昨年1年間の計18件を上回るペースになっている。サイバー犯罪対策課の藤井信吾サイバーセキュリティ対策官は「偽サイトの被害を防ぐには被害申告が必要。大きな金額でなくても警察に届け出てほしい」と呼び掛けている。

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