センチピードグラスの処理を施したのり面。管理は年1回程度で済むという(東松浦農業改良普及センター提供)

畦畔ののり面にセンチピードグラスの種子を吹き付ける専門業者=佐賀市三瀬の釜頭地区

 中山間地域で大きな課題となっている水田の畦畔(けいはん)管理対策として、佐城農業改良普及センターは、芝の一種であるセンチピードグラスの効果検証を始めた。雑草や病害虫の抑制効果があり、いったん定着すればこれまで年4~5回必要だった草刈りの回数を1回程度に減らせるといい、農家の負担軽減が期待される。

 センチピードグラスは東南アジア原産で和名は「ムカデシバ」。節から分枝、発根して土面を覆い尽くし、のり面を守るとともに雑草の種子を発芽させなくする効果がある。害虫の発生率も低い。地力が極端に低い土壌以外は肥料も不要で、一度生えたら手がかからないのが特徴だ。九州では大分県などで導入が進んでおり、県内では有田町や唐津市などで少しずつ取り入れられている。

 同センターは22日、モデル地区の佐賀市三瀬村釜頭(かまのとう)集落で技術実演会を実施した。愛媛県の専門業者が専用のホースを使って畦畔ののり面にセンチピードグラスの種子を吹き付け、定着させるために覆土やアリ対策を施した。吹き付け作業自体は20分程度で完了し、費用は235平方メートルで8万円程度。センターは普及のために、国の中山間地域への交付金活用を想定する。

 中山間地域は高齢化が進み、重労働で事故の危険もある急斜面の畦畔管理は、稲作農家の離農や耕作放棄地の増加を助長する要因の一つとなっている。畦畔管理の方法は草刈り機や抑草剤の散布、防草シートなどさまざまだが、費用や労力の面で一長一短ある。センチピードグラスは他の雑草に負けないよう初期段階で下準備の手間がかかり、業者や関係機関の指導を受けながら雑草の焼却や除草剤など、約1年かけて計画的に工程を組む必要がある。

 同センター北部振興担当の小栁利朗係長は「“切り札”とまでは言えないが、ベターな方法。県としても中山間地域の対策に力を入れており、技術面で農家の役に立てれば」と話す。

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