佐賀県有明海漁協総代会で、諫早湾干拓事業の開門問題などを説明する徳永重昭組合長(右)=佐賀市のガーデンテラス佐賀(マリトピア)

 佐賀県有明海漁協は29日、通常総代会を佐賀市で開いた。国営諫早湾干拓事業(長崎県)の開門問題を巡り、徳永重昭組合長は「有明海再生のために開門調査を含む環境変化の原因究明が必要との思いは一貫している」という認識を示した。自衛隊輸送機オスプレイの佐賀空港への配備計画に関しては、ノリ養殖などへの影響に対する懸念を踏まえて「慎重に対応する」との漁協の方針を確認した。

 来賓で出席した山口祥義知事は、開門関連訴訟の和解協議で福岡高裁が国の主張に沿って開門しない方向性を示したことに対し、「忸怩(じくじ)たる思い。開門を信じてやってきたわれわれがいたたまれない状況にある」と述べた。オスプレイ関連では「国防の観点から(受け入れの)要請があるわけで、われわれも真剣に聞かなければならない。真摯(しんし)に対応していきたい」とした。

 出席者からは、干拓事業の堤防閉め切りによる漁業被害を引き続き国に訴えるよう求める声が上がった。徳永組合長は「被害の立証は難しいが、潮流の変化や赤潮の頻発は漁業者の肌感覚で分かる。(諫早湾の)干潟がなくなり、その役割を奪った干拓事業がいかがなものかと今でも思う」と応じた。

 総代会は約200人が出席した。神埼市の陸上自衛隊ヘリ墜落事故の原因究明や再発防止策に関して国の対応を注視することや、有明海再生事業の継続、干拓地の調整池の排水対策などを国に要望する方針も示された。

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