映画「花筐」で唐津くんちの撮影に臨む大林宣彦監督(右手前)を取材する田中直也さん(左下)=2016年10月、唐津市の旧大成小グラウンド

番組の構成・撮影・編集などを手掛けた唐津ケーブルテレビジョンの田中直也さん

 唐津ケーブルテレビジョン(ぴ~ぷる放送、中村隆社長)が制作した番組「唐津映画『花筐(はながたみ)』~戦争と死と生をスクリーンに叩(たた)きつけて」が、ケーブルテレビ九州番組コンクールでグランプリを受賞した。制作した同社放送部の田中直也係長(42)は「映画を作り上げる監督やスタッフの信念や情熱を感じ、撮影現場でずっと圧倒されていた」と語る。

 

 唐津を舞台にした大林宣彦監督の映画「花筐/HANAGATAMI」を2015年3月の構想段階から昨年12月の上映まで約3年、密着取材した番組。コンクールは昨年度の放送番組が対象で、26作品の応募があった特別・特集番組部門で最高賞を受賞した。

 大林監督が40年前に自身のデビュー作として脚本を手掛けていた作品。撮影直前には監督が肺がんで余命半年の宣告を受け、地元の製作推進委員会の緊急役員会など緊迫した場面も捉えている。映画ができる過程だけでもドラマチックだが、「地元の番組ではそれだけでいけない。唐津で撮った意味をどうミックスさせるかに苦労した」と田中さん。地元スタッフの奮闘なども盛り込んでいる。

 3年で蓄積した映像素材は60時間分。本格的な編集作業に入った年明けには、「花筐」自体が国内最高峰の映画賞を受賞する朗報が舞い込んだ。「こちらも負けないように作らなければ」と1月末の初回放送前日まで試行錯誤を続け、75分の番組に仕上げた。

 受賞を記念して8月に再放送する。大林監督は7月に故郷の広島県尾道市で新作の撮影に入る。田中さんは「戦争をテーマに撮り続ける監督をまた取り上げたい」と話している。

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