みんなで食べるとおいしいね。高齢者は椅子席で=唐津市の佐志公民館

「きょうのメニューはハワイアン丼です」。中心メンバーの深川美保さん

 佐賀県唐津市佐志浜町の佐志公民館に毎月第3土曜日、青いのぼり旗が立つ。「佐志食堂」営業中の知らせだ。大人300円、中学生以下の子どもは無料で、キャッチフレーズは「一人ごはんよりみんなでごはん、おいしいね」。「食」を通じて、世代を超えた「地域の居場所づくり」を進める。

 「食堂」は4月から始め、3回目だった16日の献立はハンバーグと目玉焼きをご飯の上に乗せたハワイアン丼と、カボチャなど具だくさんのみそ汁。100人分を用意していたが、141人が訪れ、「足りなくなってハンバーグを半分にしたり、スタッフの分は弁当を買いに行ったりで」と中心メンバーの深川美保さん(54)。笑顔で語る。

 深川さんは食生活改善推進協議会佐志支部長で、市青少年支援センターの相談員を務める。二つの現場で感じるのが「食」への危機感であり、その大切さだ。

 経済的に厳しく食費を切り詰める家庭がある一方、コンビニの総菜でおかずを済ませる家庭もある。かつては漁師町だった地区は高齢化が進み、孤食の世帯、さらには近くのスーパーが撤退する中で“買い物難民”も増えているという。

 そこで「子ども食堂」に限定せず、多世代が集まる「地域食堂」を思い立ち、食生活改善推進協議会の仲間に協力を呼び掛けた。資金は大人から徴収する300円と校区社会福祉協議会の年間10万円の助成金だ。

 今回の参加者は子どもが約6割。開店の午前11時前から待っていた小学4年の女児グループもいれば、認知症という高齢女性を連れた男性も。1人暮らしの74歳女性は「子どもたちを見ているとこっちも食欲が湧いてくる」と話し、0歳から5歳まで3人の子どもを連れた30代夫婦は「ファミレスは若者ばかりで、ここは和気あいあいとした感じ」と周囲に目を向けた。

 無理せず長続きさせるため「ごちそうはしないし、レクリエーションみたいなこともしない」と言う。ただ「食べると幸せになり、幸せになったら心が開く。それがつながりになれば」と深川さん。次回は7月21日。この日、28人が予約をして帰った。

 問い合わせは同公民館、電話0955(72)2461。

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