飯田豊一さんが撮影した、魚をくわえて干潟を歩くタヌキ=佐賀市東与賀

 国内有数の渡り鳥の越冬地でも知られる有明海で、普段海にはいない珍客の姿が捉えられた。潮が引いた直後の干潟を歩くタヌキ。まるで「木彫りの熊」のように大きな魚にかぶりついている姿が写っていた。

 撮影したのは佐賀市在住のアマチュアカメラマン飯田豊一さん(57)。7年ほど前から有明海の風景や、干潟に生息する野鳥やムツゴロウの撮影を日課にしていた。

 23日午後7時ごろ、この日もカメラ片手に有明海に出かけた飯田さん。いつも撮影する干潟よか公園(佐賀市東与賀)の西約3キロの撮影スポットについた直後、干潟上に普段見かけない動物の姿を発見。レンズをのぞくとタヌキだった。

 海岸から100メートルの所にいたタヌキに警戒されないように静かに近づき、数枚シャッターを切った。その写真をSNSに上げると大きな反響を呼んだ。

 動物の生態に詳しい佐賀大学農学部の野間口眞太郎教授によると、「タヌキは雑食。潮が引いた潟で餌にありついた経験をして、周辺に住み着いた可能性は十分にあるが、海の上を歩くタヌキは珍しい」と話す。

 飯田さんは「天気が良い日にいつも撮影に来ていたことがチャンスにつながった。また見る機会が訪れても、次は静かに見守っていきたい」。今後も有明海の自然にそっと寄り添っていく。

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