トラックに重機を積んで被災地に向かい、災害復旧のボランティアに励んだ古川稔さん=佐賀市の西九通運

2017年、九州北部豪雨の被災地で、所有する重機を使い住宅周辺の流木などを撤去する古川さん(提供写真)=福岡県朝倉市

 ここ数年、大きな自然災害に見舞われてきた九州。佐賀市の運送会社「西九通運」社長、古川稔さん(71)は「被災地の窮状を見過ごしておけない」と、現場での災害復旧ボランティアに汗をかいてきた。忙しい仕事の合間、所有する3トントラックや油圧ショベルなどの重機とともに、熊本地震や九州北部豪雨の被災地へ。風水害の心配が高まるシーズンに入り、「もう災害が起きてほしくないが、もし発生すれば、駆けつけたい」と意欲を語る。

 

 熊本地震では2016年の7月と9月の計8日間、熊本県西原村で土砂やがれきの撤去と、水路復旧作業に携わった。友人と協力し重機を使って土砂をダンプカーに積み、運ぶ作業を何十回も繰り返し、重さ1トンもある埋没した石の撤去も行った。猛暑日となり炎天下の作業が続いたが、「きついとか、大変とかは思わなかった。きっと作業に熱中していたんだろうね」と笑顔で振り返る。

 昨年7月は九州北部豪雨の被災地で、4日間にわたり作業。朝倉市杷(は)木 (き)寒水(そうず)地区を中心に、住宅周辺に1メートル以上堆積した土砂や流木などを重機で撤去した。

 いずれも、作業は朝8時から夕方6時ごろまで。洗濯や食事は自分で済ませ、寝泊まりはいつもトラックの中だ。妻の則子さんは、そんな夫を心配しながらも、「一度も弱音を吐かなかった。自慢の夫です」とほほ笑む。

 古川さんがボランティアを決意したのは、テレビで見た被災地の惨状に、心を痛めたのがきっかけだった。知人からの紹介やボランティアセンターに連絡して、現地に乗り込んでいる。「(私も)これまでたくさん支えられてきた。災害があれば、またボランティアに行く」と古川さん。被災地の一日も早い復興を願っている。

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