重油が付着した山犬原川の土砂や草を除去する河川管理業者ら=23日、多久市北多久町

 多久市の温泉保養宿泊施設「タクア」の燃料タンクから重油が近くの川などに流出した事故で、佐賀県は25日までに重油が付着した土砂などの撤去作業を終えた。今後、河川の水質調査を予定しており、収束には時間がかかるとみられる。

 県は23日、重油が付着した川の草木や土砂の除去、護岸の清掃作業を終了。県は「発生元からの新たな重油流出は見られず、油膜もほぼ確認できなくなった」とし、市などが流域7地区に呼び掛けていた水田への「取水制限」を解除した。

 市によると、タンクからあふれ出た重油は8000リットルに上るとみられ、近くを流れる山犬原川の下流約2・7キロまで流出。流域の水田4・5ヘクタールで油膜が確認され、このうち田植えを終えていた水田1カ所(20アール)で苗の6~7割が枯れているのが20日に確認された。

 重油は今月13日午後、タクア敷地内の燃料タンクから流出。佐世保市の業者が満タンになっているのに気づかずに給油し続けたため、タンクの空気抜き用パイプからあふれ出た。

 重油があふれ出た場所は砂地のため、佐賀広域消防局は「相当量が地下にしみ込んだ」とみており、周辺の土壌や地下水への影響を監視するようタクアに指導した。敷地内の3カ所を掘削し、モニタリング調査を一定期間続けるという。市によると、周辺の井戸への影響は確認されていない。

 水田への被害に関し、タクアの里元勝久社長は「風評被害を心配する声もあり、稲の生育状況を確認しながら誠意を持って対応したい」と話す。

このエントリーをはてなブックマークに追加