病休中に博士号取得、インターネットで差別的投稿…。面接に来た女性へのハラスメントが疑われる事例も含め、佐賀県の公益通報制度は2005年度の運用開始以来、27件の通報が寄せられている。調査の結果、職員が戒告処分になるなど処分や職員全体への注意につながった事例もある。

 窓口に通報があった場合、担当弁護士や県人事課が事実関係を調査した後、県が対応を決める。17年度は、通報に基づき8件の調査報告書をまとめた。このうち、病休中に大学に通い、博士号を取得した女性職員は「県民の疑念を招く」として上司が厳重注意することになった。3件は事実関係を確認できなかった。

 過去には、勤務時間内に公用の固定電話を私用で使った職員が戒告処分となったり、職員がツイッター上で差別的な発言をしたなどとして全職員に注意喚起した事例がある。遅刻の常習や居眠り、職員の言動を問題視する通報があり、指導したケースもあった。

 個人の勤務態度に限らず、県庁内の業務状況に改善を求める通報もあった。公益通報について県人事課は「処分に至った事例もあり、規律向上につながっている」としている。

 公益通報制度に詳しい淑徳大コミュニティ政策学部の日野勝吾准教授(社会法)は「処置の妥当性を担保する手段としては、第三者委員会の設置が望ましい。通報者を保護しつつ、県民の利益につなげられる制度設計が必要」と話す。

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