障害者が働きながら技能を身につける「就労継続支援A型事業所」(A型)を巡り、佐賀県内で昨年度、4事業所が廃業していたことが分かった。2017年度に指定基準が厳格化され、事業所に一定の収益確保を求めるようになったことが影響した。A型は毎年増え続けているが、本年度は44カ所のうち1カ所が休止状態で実質的には横ばいの状況。岐路に立っている。

 県障害福祉課就労支援室によると、昨年度廃業したA型事業所は佐賀市2件、唐津市1件、多久市1件。このうち2件は経営難で廃業しており、指定基準の見直しが直接影響した。

 県内では11年度、7カ所だったが17年度には6倍超の43カ所に増加。基準厳格化後の18年度は増加傾向から横ばいに変わった。工場や農場での作業や清掃、飲食店での給仕など事業所の業態によって仕事は異なる。 A型は利用者数に応じて補助金を受け取れるため、事業収益が確保できなくても参入できた。全国的に急増、16年度は全国に約3600カ所に拡大。利用者の意向にかかわらず労働時間を短くするなど、不適切な事例も指摘されていた。

 国は、状況を是正しようと昨年4月から賃金の支払いに給付金を充てることを禁じ、事業収益で賃金をまかなうよう求めた。補助金に依存しない経営を徹底する狙いで、基準を満たさない事業者には経営改善計画書の提出を求める。

 県内で廃業した4事業所の定員は計57人。国は県などを通じ、廃業の際には、労働意欲のある利用者を別の就労先に引き継ぐよう事業者に求めている。

 県就労支援室は「県内では廃業の影響で、意欲があるのに働けなくなった人はいない」とした上で「障害者の就労ニーズに応じた多様な事業所あることが望ましい」としており、県は収益向上のための事業所向け研修会を計画している。

就労継続支援A型事業所 障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)に定められた就労支援事業の一つ。一般企業で働くのが難しい65歳未満の障害者に、働きながら知識習得や技術訓練をする障害福祉サービスを提供する。事業所は障害者と最低賃金以上で雇用契約を結ぶ。雇用契約を結ばないB型もある。

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