プロジェクトに参加している地元農家や市の職員ら=佐賀市東与賀町のモデル水田

 佐賀市東与賀町で作られている特別栽培米「夢しずく」のブランド化を推進するための実証実験が、同町のモデル水田で始まった。「シギの恩返し米」と銘打ち2年目。地元農家は「1年目で味の良さは確認できた」と語り、今後は栽培の実用化や販売戦略などが課題となる。

 昨年の実験では、下水道処理の際に出る堆肥を使用した肥料を活用して栽培、味、品質ともに高い評価を得た。今年はその肥料に加え、北山ダムの底にたまった底質土を散布、鉄やケイ酸などを含む底質土をまくことでさらなる品質向上を狙う。効果が確認できれば、使用する農薬や肥料の減少にもつながる。

 このほか、ラムサール条約に登録された干潟に生息する生き物との共存や地元の企業、大学との連携など、さまざまな付加価値を付けることでブランド化を狙う。シギの恩返し米プロジェクト推進協議会の吉村信行会長(67)は「おいしいだけの米はどこにでもある。物語(栽培の課程)を認知してもらって初めてブランドになる」と語る。

 ブランド化に成功した場合、いかにブランドをPRし、販売促進につなげていくかが今後の課題となる。夢しずくの現在の取引価格は約1万2千円、協議会はブランド化により価格を3万円程度まで引き上げることを目標としている。栽培方法を地元農家が実践できるかも課題で、市農業振興課は「取り組みを整理し、農家の方が取り組みやすいものを採用する」としている。

 2年目の実験に向け、吉村会長は「東与賀には世界に認められた干潟と自然がある。その中で作っている米をぜひ知ってほしい」と話す。

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