国内経済を展望し、雇用の在り方を解説した早川英男氏=嬉野市の大正屋

 佐賀新聞社が主催する佐賀西部政経セミナーが20日、嬉野市の大正屋で開かれた。富士通総研経済研究所エグゼクティブ・フェローの早川英男氏が国内経済を展望し、深刻化する人手不足を前にした雇用の在り方などを解説した。

 早川氏は、本年度の日本経済について「緩やかな拡大傾向」と述べ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに伴う建設投資などが景気を押し上げる要因になると分析した。

 ただ、原油高などによる物価の上昇で、実質賃金は低下する見通しとなることから個人消費は伸び悩むとし、実質国内総生産(GDP)については「当面、実質1%台の成長が続くシナリオ」と推測した。

 また、企業で人手不足が続く一方、賃金が伸び悩んでいる理由の一つに「日本的雇用が限界にきている」と警鐘を鳴らした。

 雇用契約をする際に職務内容や範囲などを明確に規定する「ジョブ・ディスクリプション」の仕組みが日本には少なく、その結果、日本企業の人事権がほとんど無制限になっていると指摘した。その一方で、定年まで雇用を保障していることを示し、「かつてはこのやり方でよかったが、これは昭和の働き方。日本的雇用の変革が最大の成長戦略」と問題提起した。

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