漁業者との意見交換に訪れ、あいさつする山口祥義知事=太良町の県有明海漁協大浦支所

 国営諫早湾干拓事業を巡る訴訟の福岡高裁での和解協議が決裂したなか、佐賀県の山口祥義知事は19日、県有明海漁協大浦支所(藤津郡太良町)を訪れ、漁業者と意見交換した。漁業者は6季休漁のタイラギなどの二枚貝が育たず、漁業不振が深刻で先行きが見えない窮状を切々と訴えた。

 大浦支所は訴訟当事者が所属している。この日は運営委員や青年部ら12人が出席して非公開で約1時間、会談した。弥永達郎運営委員長は数年前と比べて漁獲量が3分の1に激減、漁業者の生活がひっ迫していると報告した。出席者は、二枚貝が育たない原因とされる底質の改善に向けた再生事業の継続や、国策に翻弄(ほんろう)されたくない思いを伝えた。佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画には騒音による投網漁への影響が懸念されるとして、慎重な対応を求めた。

 開門問題で大浦支所は国が提示した開門せずに基金での和解案に難色を示してきた。会談後、弥永委員長はこの立場を説明したと言い、「開門の旗はまだ降ろしていない気持ちを伝えることができた」と総括した。山口知事は「原因究明のため、開門調査の必要性は持ち続けている。訴訟の問題として、和解を目指すべきという意見を理解してもらったのではないか」と語った。

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