県出身の入所者と意見交換する井本知事(右)=平成13年6月20日、熊本県合志町の菊池恵楓園

 井本勇県知事(当時)が、佐賀県出身のハンセン病元患者が暮らす熊本県合志町の国立療養所「菊池恵楓園」を訪れ、県が国の隔離政策に協力してきたことを「大変な苦労をお掛けした。言葉もない」と謝罪した。隔離開始から約90年。入所者たちは「ふるさとに帰れるようにしてほしい」と述べ、差別や偏見解消への取り組みを求めた。

 井本知事の訪問は初めて。死亡後も肉親の引き取りがなかった1230人が眠る納骨堂に献花し、県出身の入所者12人と意見交換した。知事は「国の政策であったといえ、県も関与したのは紛れもない事実。人間としての尊厳を傷つけた」と謝罪した。

 当時の県出身の入所者は94歳から58歳までの42人。この年の5月、熊本地裁がらい予防法の強制隔離規定について違憲性を認定し、国に賠償金支払いを命じる判決を下した。

 県は差別解消に向けた啓発活動を続け、2017(平成29)年3月には、同園の入所者が社会復帰する際に鳴らしていた「希望の鐘」を修復し寄贈した。(新元号まであと315日)

このエントリーをはてなブックマークに追加