九州電力玄海原子力発電所(東松浦郡玄海町)は3号機に続いて4号機が再稼働し、20日には発電と送電を始める。東京電力福島第1原発事故後、新規制基準のもとで先行して再稼働した鹿児島県の川内原発2基と合わせ、九電が目標としてきた4基体制が実現する。全国では5原発9基目となる。稼働原発が増えることは、使用済み核燃料が確実に増えていくことでもある。保管場所の猶予はあまりなく、青森県六ケ所村の再処理工場は完成が遅れ、国の最終処分場建設はいまだ展望がない。再稼働優先で、行き場のない「核のごみ」という直面する課題を先送りしてきたツケは大きく、政治の責任は重い。

 九電管内の原発再稼働は2015年8月に川内1号機、10月に川内2号機、今年3月に玄海3号機、そして今月16日の4号機と続いてきた。玄海1号機は廃止し、2号機は存廃を20年3月までに判断する。九電の決算資料によると、電力量に占める原発の割合は、川内2基の稼働で16年度が15・1%、17年度17・9%に上る。再生可能エネルギーは16年度18・6%、17年度20・3%と原発を上回っているものの、本年度、原発は玄海の2基分が加わってさらに伸びる可能性がある。依存度は高まり、原発回帰路線を数字の上でも物語っている。

 原発は13カ月稼働後、いったん停止して定期検査に入る。玄海原発ではその際、1基当たり約70体ずつ使用済み核燃料が発生する。冷却後、六ケ所村の再処理工場に運ぶ計画だが、20年以上完成が遅れ、再処理工場の受け入れ用貯蔵プールが満杯状態となり、持ち込めない事態になっている。使用済み核燃料を水中で冷やして一時的に保管する貯蔵プールの容量は、3号機があと7年、1、2号機とプールを共有している4号機が5年程度で限界になる見通し。保管期間の長期化も懸案となろう。

 九電は延命策として、燃料を置く間隔を狭めて貯蔵容量を増やす「リラッキング」を計画、燃料を金属容器「キャスク」に入れて空気冷却する「乾式貯蔵」を導入する方針を掲げている。今後、原子力規制委員会にそれぞれ認可を申請する見込みだ。ただ、リラッキングは原子力規制委の前委員長が安全面から難色を示していた。乾式貯蔵施設の建設計画も明示されておらず、地元同意など不透明な要素が多い。

 日本は使用済みの核燃料を再処理し、ウランやプルトニウムを再び核燃料として利用する核燃料サイクルを国策としている。玄海3号機で再利用燃料を使うプルサーマル発電もその一環である。しかし、サイクルの要のはずだった高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉が決まり、先行きが見通せない。

 再処理できないために使用済み核燃料の行き場がなくなる一方で、再処理工場が完成して動き出せば、国際社会が核兵器に転用されないよう厳格な管理を求めているプルトニウムの保有量が増加する懸念が生じてくる。原発を動かす先には、日本の「核」の問題が横たわっている。使用済み核燃料の問題はこれまでも議論されながら解決策を見いだせていない。一時しのぎの対策ではなく、行き詰まった核燃料サイクルの見直しを含めた原子力政策の転換が迫られている。(辻村圭介)

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