「葉隠の現在、そして未来へ」と題したシンポジウムで、意見を交わす種村完司鹿児島大名誉教授(右)ら=小城市のゆめぷらっと小城

 佐賀藩士が武士の心得を説いた「葉隠」をテーマにしたシンポジウムが16日、小城市であり、葉隠研究の著書がある種村完司・鹿児島大名誉教授が講演した。「武士道と奉公人道の両面を持つ書」と葉隠の特徴を説明し、熟慮を踏まえた包括的な見地など現代にも通じる教訓があると述べた。

 種村教授は60歳から十数年間、葉隠を研究し、新著『「葉隠」の研究 思想の分析、評価と批判』を5月に出版した。上意下達の藩政の下で、主体的な選択を志す武士特有の自律の姿勢が葉隠にあると指摘。「不平等で不自由な組織の中でも信念を貫こうとする現代人へのエールとも言える」と話した。

 パネルディスカッションでは、佐賀城本丸歴史館の藤井祐介学芸員が「葉隠は江戸時代を生きた侍が次の世代に残した教本」と解説した。葉隠誕生の背景について、種村教授は「本質を見抜き、思想化できる文(学問)の土壌が佐賀にあった」とひもとき、「紋切り型ではなく、葉隠の非人間的な側面も含めて未来に伝え、その時代の人たちが選別、識別していくことが大切」と歴史伝承の意義を説いた。

 シンポジウムは7月21、22日に市内である伝統の夏祭り「小城山挽(やまひき)祗園」の事前イベントとして、まちづくり小城と小城商工会議所が共催、約80人が聴き入った。

このエントリーをはてなブックマークに追加