島谷審査委員長の解説を熱心に聞く来館者たち=佐賀市の県立美術館

佐賀市の県立美術館で開催中の公募書道展「梧竹・蒼海顕彰第26回佐賀県書道展」(佐賀新聞社主催、佐賀県立美術館・佐賀城本丸歴史館共催)で17日、島谷弘幸審査委員長(九州国立博物館長)によるギャラリートークが開かれた。鑑賞する上で、作者名や一般的な評価に寄りかからず、「何を家に持って帰りたいかという目で見るのも楽しい」と助言した。

 島谷さんは、書の評価ポイントは「造形、線質、調和」の3点に集約されると説明。「服装も全身をブランド品で包めばいいというものではない。書もがんばりすぎるとバランスが悪くなる」と述べ、鑑賞する立場では調和を重視して見ることを勧めた。大賞を受賞した太田恵泉さん=嬉野市=の漢字「張均の詩」は、「空気の流れ、行間の処理がうまくできている。筆意も良く、好感が持てる」と評した。

 同時開催中の特別展「さが幕末維新の書」も解説した。副島種臣と中林梧竹について「天才と言っていい。この2人が佐賀にいたことは誇れること」と語り、「書の鑑賞は権威に寄りかかりがちだが、『専門家はこう言っているが、私はこれが好き』『これを家に持って帰りたい』という感覚で作品を見るのも楽しい」と話した。

 委嘱作家の三村香邨(こうそん)さん(71)=佐賀市=は「持って帰りたいと思われるような作品を書きたいですね」と話した。県書道展(23日まで、18日休館)、特別展は23日まで。

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