「戦力がきっ抗し、どのチームにも優勝のチャンスがある」と語る県高野連の吉冨壽泰理事長=佐賀市の県高野連事務局

 夏の甲子園を懸けて県内40チームがしのぎを削る第100回全国高校野球選手権記念佐賀大会は7月7日に始まる。開幕を前に、佐賀県高校野球連盟理事長で2007年の佐賀北の全国制覇を部長として支えた吉冨壽泰氏(51)に、県勢が甲子園で躍進するために何が必要かを聞いた。

 -14年以降、県勢は夏の甲子園で初戦敗退が続いている。

 全国で勝てない背景には、指導者、選手の力量不足に加え、有力選手の県外流出や部員数減少などさまざまな問題がある。県外流出に歯止めをかけるには魅力的な指導者を増やすことが大事。「佐賀から甲子園を目指したい」と思ってもらえるような環境をつくっていきたい。

 -県勢の競技力向上に何が必要か。

 まずは指導者のレベルを上げたい。私が理事長に就いた16年度から県高野連主催の指導者研修会に中学の軟式野球指導者も参加できるようにし、昨年は自分が講師になって佐賀北が全国制覇したときに実践したデータ分析の手法を伝えた。

 手の内を明かすことになったが、次にグラウンドで対戦するときは自分がまたそれを乗り越えればいい。切磋琢磨(せっさたくま)することで佐賀のレベルが上がっていく。

 -甲子園で勝ち上がるためにはどんな工夫が必要か。

 県内に“横綱野球”で日本一になれるようなチームはない。力対力ではなく、練習からよく考えて工夫することが大切になる。その中の一つが相手のデータ分析だ。

 -競技人口減少を止めるための対策は。

 近年、中学軟式野球の部員数減が顕著だ。底辺拡大が必要で、県高野連では「ティーボール」を使った野球教室を各地で実施している。小学生や女性にも野球の楽しさを伝えたい。

 -高校野球で大切にすべきことは。

 当たり前のことだが、高校野球は学校の部活動の一部で、教育の一環だ。教育と技術指導のどちらか一方が欠ければ強いチームにはならない。あいさつや礼儀、チームワークなど学ぶべきことは昔も今も変わらない。

 ことしの夏の大会は第100回記念となるが、各校の戦力がきっ抗し、どのチームにも優勝のチャンスがある。「勝つために何ができるのか」。監督、選手それぞれが真剣に考え抜き、本番に臨んでほしい。=おわり

メモ

 第100回全国高校野球選手権記念大会は8月5日に甲子園で開幕する。例年2代表の北海道、東京に加え、埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡も二つに分けられ、例年より7校多い史上最多の56校が出場する。決勝を除き、延長十三回以降は試合の早期決着を図るタイブレーク制度が採用される。

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