練習後、塩田工の選手とグラウンドに整列する嬉野の谷口拓斗(右から4番目)=嬉野市の塩田工

練習後、塩田工の部員とともにグラウンド整備をする嬉野の谷口拓斗(中央)=嬉野市の塩田工

 嬉野の野球部の3人は放課後、全力で自転車をこぐ。約9キロを20~30分で走り、4月の高校再編で統合された塩田工へ。着くころには汗だくだが、3月まで主将を務めた谷口拓斗(16)は「少しでも長く練習したい」といつも飛ばす。車の送迎で残りの部員1人も合流。連合チーム塩田工・嬉野の一員として約50人の仲間と同じグラウンドで練習している。

 谷口ら嬉野の部員は2年生の4人のみ。昨年は先輩4人と8人で活動していた。大会には他部に応援を頼んだり、唐津青翔と連合チームを組んで出場。「周りの学校が甲子園を目指しているのに、県大会のことを考えていた」と谷口は振り返る。好きな野球を続けたい一心で、4人は白球を追い続けてきた。

 今春の高校再編で嬉野と塩田工のほか、白石と杵島商、鹿島と鹿島実が統合された。ただ、この4校は部員数が確保できており、夏の佐賀大会にはそれぞれ単独で出場する。「一緒にやってきた仲間と慣れ親しんだユニホームで出たい」との思いがにじむ。

 少子化などで高校野球人口は減少傾向にある。昨夏の地方大会の参加校は前年より35校少ない3839校。第84、85回大会で過去最高の4163校を記録して以降、14年連続で減り続けている。

 佐賀県内も野球部員は減少気味。2012年に最多の1868人を記録したが、昨年は1756人となり、この5年で112人減った。塩田工・嬉野が連合チームとなったことで夏の佐賀大会の出場は一つ減って40チームとなる見込み。

 嬉野の4人は3月まで、ピッチングマシンをバックネット側に置いて打撃練習していた。マシンから放たれるボールをフェンスに向かって打ち返せば、外野まで拾いにいかずに済むからだ。

 それが今は大人数で練習できる喜びをかみしめている。「みんなで声を出し合ったり、連係プレーの練習をしたり…。今までできなかったから楽しい」と谷口。中学時代の先輩もいて、自然とチームになじむことができたという。

 夏の前哨戦となるNHK杯で塩田工・嬉野は4強に進出。部員が多く、レギュラー争いは厳しいが、嬉野の4人にとって連合チームは聖地・甲子園を目指す新たな道となっている。

メモ

 日本高野連は1997年から学校の統廃合による連合チームの大会参加を承認。2012年からは部員数不足を理由にした連合チームの出場も認めている。昨夏の連合チーム出場は統廃合によるものが6、部員不足によるものが57の計63チームだった。まだ実現していないが、連合チームの甲子園出場は可能になっている。

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