著者の橋本和喜さん(右)と古賀さんの甥で古賀道場師範の古賀大之さん=佐賀市

地球市民として世界の平和を願い続けた故・古賀武夫さん=佐賀市の古賀英語道場

 NPO法人「地球市民の会」を佐賀市に設立し、国際交流・支援活動に情熱を注いだ故古賀武夫さん(1950~2008年)の一生をつづった『地球を翔(かけ)た異風者(いひゅうもん)~古賀武夫伝』が出版された。古賀さんが亡くなって今年で10年。型にはまらず、持ち前のバイタリティーで“地球”を舞台に駆け抜けた57年の生涯を、数々のエピソードを織り交ぜて書いている。

 上梓したのは北海道を拠点に執筆活動をする橋本和喜さん(59)。1996年に古賀さんを取材して以来親交があり、酒に酔って「おいの(物語)ば書いてくれんね」と言われたこともあったという。2014年に地球市民の会東京支部の有澤正典会長から伝記執筆の依頼を受け、その破天荒な生涯とあらためて向き合うことに。あとがきに「執筆中は古賀さんと毎日いっしょに行動しているような感覚を持った」と記した。

 豪放磊落(らいらく)、個性際立つ古賀さんは、まさに異風者(変わり者)だった。佐賀西高から東京外語大フランス語学部に進み、そこで空手とも出合う。2年間のフランス留学では空手家の役で映画にも出演。佐賀に戻って英語教師となったが、英語力を磨き直す必要性を感じ、職を辞してカナダに留学した。異文化がひしめき合いながらも調和しているカナダ社会を実感したことで、「地球は一つ」という考えにたどり着き、地球市民としての自己を見つけた。

 佐賀に帰り、佐賀日仏文化会館(後の地球市民の会)、古賀英語道場、和道流空手道古賀道場を立て続けに設立。タイ、ベトナム、ミャンマーなどアジアの国々への奨学金支給や学校施設建設、農業指導に情熱を注いだ。古賀さんの理念とカリスマ的な魅力に引かれ、活動は全国に広がった。

 その後も、映画「人間の翼」の製作やNPO「夢の学校をつくる会」など活躍の場は多岐に及んだ。一方で、壮絶な病との闘いも。伝記は古賀さんの強烈な個性をありのまま描写しつつ、内面の優しさにも触れる。

 「古賀さんはいつも世界全体の幸せを願っていた」と橋本さん。あとがきにも印象に残る古賀さんの言葉を紹介した。「人間に与えられた唯一絶対の権利は、人を幸せにする権利である」

 同書は石風社刊、335ページ。2700円(税別)。問い合わせは和道流空手道古賀道場、電話0952(25)2295。

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